40代の心の悩みの実際|JR上野芝駅すぐの心療内科・精神科・児童精神科-上野芝ひとみメンタルクリニック

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40代の心の悩みの実際

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40代の心の悩みの実際

夫婦関係・職場の悩み

日常生活に支障をきたすような心配の種は尽きない。ある男性の妻がパートに出るようになった。なにげなく携帯を見たら知らない男性からのメールがあった。怖くて確かめられない。妻が化粧台の奥にコンドームを隠していた。夫婦生活がないのにおかしい。それを確かめる勇気がない。ある女性は不妊治療を受けたが成功しなかった。夫はそれをよいことに自分の友だちと不倫関係になった。配偶者との関係に基づく悩みとともに、思春期の子どもについての特有な悩みもある。ある女性の娘についての心配である。ボーイフレンドを自宅に連れてくるように勧めた。挨拶をしようと子どもの部屋の扉を開けたら、娘が服を脱ごうとしていた。
職場の悩みも多い。ある男性は新しいポジションで相性のよくない相手と同じチームになった。部下の評判では負けないが営業成績では先を越されている。週末になると気持ちがホッとする。月曜日は出勤拒否の心境である。ある男性は会社の統合により馴染みのない土地に単身赴任することになった。人間関係に慣れるだけでも一苦労である。気候の変化も身体にこたえる。次第に眠れなくなり寂寥感に支配されるようになった。
ある女性は職場のセクハラについて上司に訴えても取り上げてもらえず我慢していた。生活のために簡単に職場を辞めるわけにはいかない。眠れない日が続いたある日、出勤のためホームで電車を待っていたところ、通過する電車に引き込まれそうな恐怖にとらわれた。そんな日々が続くうちにいっそ飛び込んだら楽になるのではという考えが頭に浮かぶ。恐怖症である。
ある女性は奥歯を抜いた。麻酔が十分に効かなかった。家に帰ってから夜通し氷で冷やし続けた。それでも痛みとしびれ感は消えなかった。感覚の異常が口から頬にかけて広がった。さらに首、頭、肩へと広がる。医者に説明を求めてもあり得ないという。内科を受診しても異常はない。家事に集中できない。いつもイライラしている。やがて顔の異常感覚が気になり外出もできなくなった。奥歯を抜いたことをきっかけに疼痛障害を発症した。

子育ての悩み・身体の不調

ある女性は子どもの高校進学を控えていた。受験説明会の時間に遅れそうになった。小走りで坂道を急いだ。突然、心臓がドキドキして息苦しさを覚えた。保健室で休ませてもらい帰宅した。それ以来、身体の不調が続いている。内科では異常を指摘されない。うがいをすると喉に引っかかる。胃腸の具合もおかしい。身体がいつも緊張している。急いで坂道を走ったことをきっかけに不安障害を発症した。
ある女性は数年前に乳癌の手術を受けた。万全を尽くしたつもりだったが再発した。肺に転移していた。告知を受けたときから病気に負けるのは悔しかった。年老いた母親の悲しむ姿を考えると眠れない。死ぬことは覚悟しているがどうしてよいか分からない。悪性腫瘍に伴って発症した不安障害である。ある女性はB 型肝炎に感染している。気候の変わり目に体調が悪くなる。肝炎の経過も思わしくない。身体がカッと火照ったり、反対に冷たくなったりする。胸と背中のあたりが苦しくなる。いつも憂うつである。なんのために生きているのか。人生の暗い側面に心が動く。うつ病による否定的思考である。
ある女性は姑を引き取るかどうかの問題に巻き込まれた。引き取りたいが夫の会社が不景気で大変なときである。リストラされるかも知れない。浪人している息子がいる。朝が起きづらい。食欲もない。姑を引き取る問題、夫のリストラへの不安、そして受験生を抱える息子の悩みをきっかけにうつ病を発症した。
ある男性は突然、上司から呼ばれて詰問された。情報を不正操作しているのではないかと疑われた。当時、娘がいたずらメールに悩まされていた。仕事の休み時間に出所を調べようとして会社のコンピューターからアクセスした。禁止されている行為である。始末書を書かされた。受験生を抱えている。家のローンも残っている。解雇にでもなったら一家心中しなければならない。眠れない日が続いた。家の電話に妙な雑音が入るようになった。電話を盗聴されているのではないか。自分の不始末がネットを通じてすでに世間に知られているのではないかなどと疑惑がどんどん広がる。追い詰められた状況に関連して妄想性障害を発症した。